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グループの人たちが今、考えていることは非市場経済を活性化させよう、そして村づくりをしていこう。そして施設についても、島にはふさわしくない居住施設を、国が決めたので過疎地にできたというのではなく、私たちがいろいろな提案を村長に出しながら、自分たちが豊かさを感じるような、住みやすい、場所づくりをしていこうということです。その1つに島にあった診療所の2階にショートステイ的な場所をつくろうと「グループだんだん」が村長にお願いしました。村長も現在では積極的に援助をしてくれており、大阪に住んでいる関前村出身の人が島に寄附をしてくれた1000万を使いショートステイをつくり、場所の修理費、その後の運営費にあてるようです。そして「グループだんだん」の人たちが運営の支援をしていくようです。
田中 ありがとうございました。今の活動のように最初村長はタイムダラーの導入に反対していたのですが、今は1000万をボランティア団体に活用させようというように、ボランティア団体がしっかりしていれば変えていけるのです。それではボランティアの側から自治体に向けての要請もありましたので、自治体の側からそれに対応する形で横田さんにお話をうかがいたいと思います。
●自治体とボランティアとの力強い連携のために
横田 私のほうから4点にしぼってお話をさせていただきます。最初に町の業務とボランティアグループ活動との役割分担の考え方ということで、例えば、私の担当しております保健・福祉業務で、委託を含めてさまざまな事業を展開しています。そのなかで新しく事業を始める際、マンパワー確保の努力をすることだと思っております。はじめから有償・無償を問わず、ボランティアを必要な計画人員としてカウントすることはどうなのか。あくまでもボランティア団体・個人の意志で自由に参加しうる受け入れ体制について、町が対応をとるべきではないかと思っております。なお町の観光施設や公園の維持管理等については、有償で地域の親交会などのボランティアグループにお願いすることなどもあるわけで、この役割分担については、難しい問題と思っております。また事業の運営には一定の決まりもあり、組織的な責任体制もあるわけですから、ボランティアの活動範囲にっいてはじめによく打ち合わせをして、互いに了解の元で信頼関係を保持していく必要があると思っております。
2つ目に町の立場から見たボランティアグループヘの期待ということです。町は65歳以上の高齢比率が23%を超えました。今後ますます高齢化が進むものと予測しており、町民の1人ひとりが自らの手で地域福祉をつくりあげていく大家族的な考え方に立って、なんらかのボランティア活動に参加していただきたいと考えております。すでに多くの人たちが、特に「ボランティア友の会」を中心に幅広く活動されているボランティアグループ、個人については深く感謝いたしており、ますます活躍するように期待しています。また、これからボランティア活動に参加される方々のために、ボランティア団体の紹介やボランティアを求めている方々を紹介するなど、さまざまなお世話役をするボランティア・コーディネーターを社会福祉協議会等に配置をしていきたいと考えております。小学生・中学生・高校生などの若い人からお年寄りまで、積極的になんらかのボランティア活動に

 

 

 

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